今回のレビューは著者の森崎 緩さんご本人にX(旧Twitter)で反応いただきました!!(嬉)
角川ごちそう文庫が大好物な私。
まさに「食欲の秋」にぴったりで、心温まる小説でした。
そんな森崎 緩さんの『埼玉おいしい出張レシピ』の小説レビューをしていきます。
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『埼玉おいしい出張レシピ』ってどんな小説?(作品紹介・あらすじ)
作品紹介

- タイトル:『埼玉おいしい出張レシピ』
- 著者:森崎 緩
- 出版社:角川文庫
- 発売日:2025/9/22
- ジャンル:食べ物小説、ヒューマンドラマ、郷土料理小説
- ページ数:276ページ(1日で読了できました)
あらすじ(ネタバレなし)
人の顔を認識できない「相貌失認」を抱える料理人の根岸は東京の和食料理店を退職し、新たに「出張料理人」として働き始める。
根岸と共に、過去のトラウマを抱えた従姉の芽未も一緒に生活をすることとなった。
しかし、埼玉・与野で借りた物件が地元住民に愛されたお店の跡地であったことから、その跡継ぎと誤解されてしまう――。
依頼人の心に寄り添い、埼玉の郷土料理の歴史にも触れながら作られる料理はどれも素敵で、とても魅力的な一冊でした。
感想レビュー
率直に感じたのは、次回作に続きそうなストーリーだと感じました。
私としては埼玉県のおいしい郷土料理について知ることが出来たので、ぜひ次回作も期待したいところです。
「相貌失認」の障害を抱えている主人公の“生きにくさ”の心境を語ったシーンが作中に出てくるところがリアルで、それでも自分に合った働き方をしようと奮闘する主人公には勇気をもらえました。
作中ではネットの噂やレビューに振り回される主人公や、過去のネットでのトラウマを抱えた従姉の芽未など…現代のネット社会の影響力の大きさも度々出てきます。
私自身、ブログ投稿しているので発信している以上は、微々たるものですが影響を与える側だという認識でいます。
この作品を読んで、自分の発信が読んでくださっている皆さんの役に立てるよう、また誰も傷つく人が出ないようにと背筋がピンと伸びる気持ちになりました。
心に残ったシーン
作品のタイトルにも入っている通り、料理のレシピ本を見ているような感覚になるほど、料理を作るシーンが丁寧に描かれています。
読んでいるだけで料理の香りが漂ってくるような感じがしました。
そこに郷土料理の組み合わせなので、自分が知らない料理ということもあり、どんどん興味がわいてきて読むスピードが速くなりました笑
恥ずかしながら、武蔵野うどん、ゼリーフライ、かて飯(という呼び方)は九州民の私にとっては馴染みがなく、どんな食べ物なのか調べながら読み進めました。
特に食べてみたいと思ったのは武蔵野うどんとゼリーフライです。
全く食べたことがないのでどんなお味なのか気になります!
おすすめの読書のおとも
おすすめの読書のおともは、かて飯(炊き込みご飯)のおにぎりはいかがでしょうか?
作中にも、かて飯のおにぎりが出てきます。
自分好みの具材を入れたり、旬の野菜を使って作ると作品の雰囲気を味わいながら読書を楽しめると思います。
私は秋なのでたくさんのきのこを使ったかて飯を作りたいなぁと思います。
まとめ|どんな人におすすめ?
森崎 緩さんの『埼玉おいしい出張レシピ』は以下の方におすすめです。
- 前に進む勇気が欲しい人
- 食べ物が出てくる小説を読みたい人
- 和食が好きな人
- 埼玉県の郷土料理に興味がある人
郷土料理と人の心に触れる、温かい小説でした。
個人的には次回作も期待したいところです。
ぜひ読んでみてくださいね♪


