本屋さんで『古本食堂』というタイトルを目にした瞬間「なんだか美味しそうで、懐かしそうで…気になる!」と思って手に取りました。
どんな本だろう?という小さな好奇心から読み始めたのですが、そこには古本の世界と街に根付いた味が描かれていて、読んでいるうちに心がほっと温かくなるような物語でした。
そんな原田ひ香さんの『古本食堂』の小説レビューをしてみました。
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『古本食堂』ってどんな小説?(作品紹介・あらすじ)
作品紹介

- タイトル:『古本食堂』
- 著者:原田ひ香
- 出版社:角川春樹事務所
- 発売日:2023/9/15
- ジャンル:お仕事小説、本&グルメ小説、ヒューマンドラマ
- ページ数:336ページ(私は毎日少しずつ読んだので読了までに3~4日かかりました)
あらすじ(ネタバレなし)
舞台は東京・神保町。兄が遺した古書店を継ぐことになった珊瑚が、仲間と共に本や人との出会いを重ねていく物語です。
登場人物たちの人生に、本と食がそっと寄り添い、読む人の心を温めてくれます。
「本を読むことの豊かさ」をあらためて思い出させてくれる一冊です。
『古本食堂』感想レビュー
感想レビュー①思いがけない本との出会いは人の気持ちを変える
古書店を訪れた人が自分が読んだことのない思いがけない本を紹介され、気持ちの変化が訪れるシーンが印象的でした。
そのシーンから「本との出会いは人との出会いと同じように偶然で、その偶然がその人の気持ちを変えたり運命を変えたりするんだな」と思いました。
この『古本食堂』を読んで私自身も「日本文学や自己啓発本など今まで読んだことがないジャンルも読んで視野を広げたいな」と気持ちの変化がありました。
物語として少しずつゆっくりと変化していく流れも良く、章ごとにあたたかい気持ちになるようなお話と美味しいものが出てきて癒しをくれました。
感想レビュー②神保町の味が本の中で香る
作中には神保町のカレーや、老舗のお寿司屋さんが物語に出てきます。
私は地方出身のため神保町と聞いてもいまいちピンとこないところがあったのですが「ボンディ」というお店のカレーや「笹巻けぬきすし」といった実在する食べ物が出てきて調べるとどれも美味しそうで…。
本のページからふわっと香りが漂ってきそうで、読んでいるだけでお腹がすいてしまうほどでした。
特に気になったのは「笹巻けぬきすし」です。単純に食べたことがないのでどんなお味なのか気になりました。
私が東京を訪れることがあれば行ってみたいと思います。
『古本食堂』が教えてくれたこと
この本から学んだのは、相手のために選ぶ一冊は、贈り手の気持ちを代弁してくれるということです。
直接は伝えにくい想いや励ましの気持ちも「あなたにこの本を読んでほしい」と手渡すことで、本が代わりに語ってくれます。
一冊の本を選ぶ行為は、単なる贈り物ではなく、心を込めたメッセージそのものだと思います。
『古本食堂』は、本と人との関わりを描きながら、本が人をつなぐ力を改めて教えてくれる作品でした。
おすすめの読書のおとも
老舗の和菓子屋と日本茶の組み合わせはいかがでしょうか?
和菓子屋さんのどら焼きや最中など、昔ながらのおやつが古本のノスタルジックな雰囲気と相性抜群で、心がほっと和むことができそうです♪
和菓子に組み合わせる飲み物といえば日本茶が抜群ですよね。
和菓子の優しい甘みに日本茶独特の苦みが最高の組み合わせです。
ぜひ『古本食堂』と一緒にいただいてみてください。
こんな人におすすめの一冊
- 本と食、両方を楽しめる小説を探している人
- 神保町や古本屋など、レトロで落ち着いた雰囲気が好きな人
- 心が疲れたときに、優しい物語で癒されたい人
- 本を通して人とのつながりや温かさを感じたい人
- 読書時間にお菓子やお茶を楽しむ“癒しの時間”を持ちたい人
- 読書好きの友人へのプレゼントにぴったりな作品を探している人
まとめ
『古本食堂』は、本と食と人との出会いが、こんなにも心を豊かにしてくれるんだと教えてくれる物語でした。
読み終わった後は、まるで神保町の街角を一緒に歩いたような、あたたかな余韻が残ります。
本好きな方も、そうでない方も、きっと日常を少しやさしい目で見られる一冊になるはずです。
秋の夜長に、温かいお茶と甘いお菓子をおともに、『古本食堂』の世界をゆっくり味わってみてください。
心までほっとする時間が訪れるはずです。


