『今日もスープを用意して』加藤千恵|感想レビュー&おすすめの人

読書

「家族」や「普通の幸せ」について考えさせられる物語を探している方におすすめの一冊です。

加藤千恵さんの『今日もスープを用意して』(ポプラ社)は、奔放な母と、自分らしい生き方を模索する娘の姿を描いたヒューマンドラマです。

食と人生をつなぐ“スープ”を通して、家族のつながりや幸せの形を丁寧に描いた作品を紹介します。

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作品紹介

  • タイトル:『今日もスープを用意して』
  • 著者:加藤千恵
  • 出版社:ポプラ社
  • 発売日:2025年10月
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、食べ物小説
  • ページ数:287ページ
  • 定価:1,980円(本体1,800円)

あらすじ(ネタバレなし)

奔放な母と、自由をうまくつかめない娘。
常識とは少し違う親子の形を描いた、やさしいエールの物語。

美しく自由奔放な母・芙美子のもとで育った望は、恋人に合わせて転居を繰り返す日々の中、いつしか「普通の暮らし」を願うようになる。

母が唯一大切にしていたのは「毎食スープを飲むこと」。

最初はしぶしぶだった望も、次第にその時間が心の支えに変わっていく。

やがて訪れる恋、そして人生を大きく変える決断。

思い通りにならない毎日の中で、それでも前を向こうとするすべての人に寄り添う“希望”の物語。

感想レビュー① 人生は“自分で選ぶ”ことの連続

家族は自分で選ぶことができないが、物心ついてからの人生は選択の連続だ、と感じました。

自分が就いている仕事や結婚、今着ている服まで全て自分が選択したものです。

迷いながらも「自分で決めたい」と思う気持ちは、誰の中にもあるのかもしれません。

人生は思い通りにいかなくても、自分で選んだ道なら、きっと意味がある。

そんな温かい余韻を残してくれました。

感想レビュー② 母と娘、それぞれの愛のかたちと価値観

芙美子の奔放さは、時に周囲を振り回し、娘である望には関心がないような印象がありました。

しかし、望が誕生した章を読んだ後は、望にとっては理解できない行動でも、母なりの愛情表現だったのかもしれないと思いました。

親子でも価値観が違う――その当たり前のことを、静かに教えてくれました。

感想レビュー③ 幸せの形は一つじゃない

望は「普通」を願いながらも、自分なりの生き方を見つけていきます。

私は「そもそも‟普通”とは何なのか?」とこの作品を読んで思いました。

「普通」や「幸せ」の基準は誰かが決めるものではなく、自分で見つけていくもの。

そんなメッセージを感じます。

読書のおともは具だくさんのスープがおすすめです。

望が年齢を重ねるごとに上達していくスープを思い浮かべただけで飲みたくなります。

スープを飲んで心も体も温まり、読書時間がホッとする時間になりそうです。

  • 家族との関係に悩んだことがある人
  • 「普通」って何だろう、と考えたことがある人
  • 温かい食べ物が出てくる小説が好きな人
  • 忙しい日々の中で、心を少し休めたい人
  • 自分の人生を自分で選びたいと思っている人
  • 人とのつながりに優しく触れたい人

『今日もスープを用意して』は、母と娘の複雑な関係を通して「自分の幸せをどう選ぶか」を問いかける物語でした。

食べ物が登場する優しい小説や、家族の絆を描いた作品が好きな人には特におすすめです。

読後には、温かいスープを飲みながら「自分にとっての幸せ」について静かに考えたくなるはずです。

ぜひ読んでみてくださいね。

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