タイトルである『ピザトーストをひとりで食べる』を見て私が感じたのは、身近な食べ物(ピザトースト)だけど「ひとりで食べる」って少し寂しいような不思議な感覚になるなぁ、という印象でした。
読んでみると恋愛と食べ物が色んな感情と共に重なりあっていて、懐かしい気持ちや知らなかった感情に出会うことができました。
そんな加藤千恵さんの『ピザトーストをひとりで食べる』レビューしていきます。
『ピザトーストをひとりで食べる』ってどんな小説?(作品紹介)

- タイトル:『ピザトーストをひとりで食べる』
- 著者:加藤千恵
- 出版社:幻冬舎文庫
- 発売日:2025/7/10
- ジャンル:恋愛小説
- ページ数:232ページ(30編の短編小説が収録されていて、テンポよく1日で読了できます。)
ホストに恋をしてしまった人、同性が好きな人、恋人の秘密を知っている人…さまざまな恋愛があり、続きが気になって最後まで飽きることなく読むことができました。
『ピザトーストをひとりで食べる』感想レビュー
この本は全て恋愛にまつわる物語なのですが、学生から大人の恋愛ストーリーと多岐にわたります。
読んでいて学生の頃を思い出し懐かしい気持ちになったり、世の中そんな恋愛もあるのか…なんて思ったり。
私は収録されている物語の全ての恋愛を経験したことはないので「ここはどんな感情なのだろう」と正直何となくでしか分からない感情もあったのですが、それはそれで全てを理解できなくても良いんじゃないかなと思いました。
なぜかというと、その物語に近い恋愛を経験したことがある人にしか分からない感情だからです。
だからこそ、その作中の言葉が特別な言葉として読み手の心に響くのではないかと思いました。
全部の感情を「わかる」とは言えないけれど、それでも「誰かには確かにある恋」をのぞき見ているような時間が新鮮に感じました。
食べ物のタイトルを見るだけで「これはどんな恋なんだろう」と想像しながら読むのも楽しかったです。
ちなみに私の好きな作品は「牛乳パン――サプライズプレゼント」です。
内容はぜひ本を読んで味わってもらいたいです♪
おすすめの読書のおとも
この『ピザトーストをひとりで食べる』は全てのストーリーのタイトルに食べ物が出てくるんですよね…。
思い返すと家族や友達、恋人との思い出は食べ物で記憶していることが結構あって、少し懐かしい気持ちになりました。
今回のおすすめの読書のおともは「これ!」というものはなく、読んでいる皆さんそれぞれの「思い出の食べ物」がぴったりなのではないか思います。
ちなみに私の恋の思い出の食べ物は“宮島で夫(当時は彼氏)と一緒に食べた牡蠣”です。
初めて夫と九州外に出た旅行が宮島でした。
そこで食べた牡蠣が大きくてとてもクリーミーで…すごく美味しかった…。
夫と感動したことを思い出します。
今でも宮島をテレビ等で見かけると、ふと、その時の牡蠣の思い出が蘇り無性に食べたくなります。
そして、その時の楽しかった恋の思い出も一緒に思い出し懐かしくて幸せな気持ちになりました。
皆さんにとって恋と一緒に思い出す食べ物は何ですか?
私の場合は牡蠣で読書のおともには出来ませんでしたが、可能なら思い出の食べ物と共にこの作品を楽しんでください。
まとめ|『ピザトーストをひとりで食べる』おすすめの人
30編の短編が収録されていて、どれもテンポ良くサクッと読めるのに心に残る物語ばかりでした。
忙しい毎日のすきま時間にぴったりの一冊だと思います。
短編集を探している方、恋愛小説が好きな方、読書初心者の方におすすめです。
ぜひ加藤千恵さんの『ピザトーストをひとりで食べる』手に取って読んでみてくださいね♪