装丁に惹かれ、思わず手に取ってしまいました。
ひとつひとつが丁寧な言葉で紡がれていて、読んでいて心がとてもあたたかくなりました。
そんな長月天音さんの『キッチン常夜灯』の小説レビューをしていきます。
『キッチン常夜灯』ってどんな小説?(作品紹介・あらすじ)
作品紹介

- タイトル:『キッチン常夜灯』
- 著者:長月天音
- 出版社:KADOKAWA
- 発売日:2023/9/22
- ジャンル:ヒューマンドラマ、ほっこり系小説、食べ物小説
- ページ数:304ページ(早い方は1日で読了できます。私は3日かかりました。)
あらすじ(ネタバレなし)
夜だけ灯りがともる「キッチン常夜灯」。
ファミレスで店長をしており忙しい日々を送る主人公・南雲みもざはこの店と出会います。
そこは悩みや孤独を抱えた人々が立ち寄り、シェフが丁寧に作る料理に癒されたり背中をおしてもらえる場所。
あたたかで優しい料理を通して、人と人とのつながりや小さな希望を描く物語です。
『キッチン常夜灯』感想|心に残ったこと
主人公が『キッチン常夜灯』での人との出会いや料理を通して、仕事で心身共に疲弊する毎日を自分なりに変えようと少しずつ前向きに努力しているところが心に残りました。
理由は今の自分と少しリンクするところがあったので心に残ったのだと思います。
私はこれまでの自分を変えたくてブログを始めました。
看護師という仕事は患者さんの命を預かる仕事なので、仕事終わりは心身がとても疲れます。
仕事にやりがいは感じていましたが、その反面、私生活は毎日同じようなことの繰り返しで、自分が全く前に進んでいないような感覚に陥ることがよくありました。
そこで自分を変えたいと思い、以前より興味があったブログに挑戦してみようと決意し今に至りました。
けれど実際は想像以上に奥が深く、完成度の高い他のブログに圧倒されることもあります。
しかし、この本はそんな私に焦らずに問題をひとつひとつ解決しながら前に進んでいくこと、その都度自分を労わってあげることが重要だと教えてくれました。
『キッチン常夜灯』を読了した後からは、小さなことでも達成したら自分を褒めてあげたり、たっぷりお湯を張ったお風呂に浸かったり、ちょっと長く睡眠時間をとったりして自分を労わってあげることができるようになりました。
労わってあげることで、次の目標への活力も湧いてきてプラス思考の連鎖ができるようになります。
読み進めながら「キッチン常夜灯」の店内に自分がいるような気分になり、登場人物たちから優しく応援してもらっているような気持ちになりました。
食べたくなった度・ほっこり度
総合評価
食べたくなった度 | |
ほっこり度 |
「キッチン常夜灯」のシェフが作る料理がどれも美味しそうにシェフの料理同様、丁寧に描写されています。
こんなビストロが近くにあったらいいのに…と読んだ人全員が感じると思います。
そしてそして!食べる相手のことを想いながら作られた料理というのがポイント高いです。
心と体、両方に沁みるような料理…。私も食べてみたい、と心から思いました。
食べたくなった度は満点の5です。
ほっこり度は主人公の疲労感が強く、長く続いたので小説と分かりながらも心配する気持ちが強くなり、ほっこり度は少し低めの3.5としました。
私が主人公に親近感を抱いたので、感情移入してしまい少し苦い気持ちになったこともほっこり度が下がった理由でもあります。
でも、最後には自分も少しずつ頑張ろう!と思える素敵なラストですので是非読んでみてください!
おすすめの読書のおとも
おすすめの読書のおともはスープです!
マグカップで手軽に飲めるカップスープがおすすめです。
登場人物がいつも「キッチン常夜灯」で飲んでいたスープ…。
いろんなスープが作中に出てくるので、気分に合わせて飲めるように様々な種類のスープがあると良いですね♪
本を1章ずつ読みながら、その時に出てきたスープと似たようなスープをおともにチョイスするというのも良いかもしれません!
まとめ|『キッチン常夜灯』はこんな人におすすめ
『キッチン常夜灯』は、日々の疲れや停滞感を抱えている方にこそ読んでほしい一冊です。
あたたかな料理と人との出会いから「焦らなくてもいい、少しずつ前に進めばいい」と優しく背中を押してくれます。
あなたが「キッチン常夜灯」を訪れるなら、まずどんな料理を注文してみたいですか?
ぜひ手に取って、自分なりの答えを探してみてくださいね。