『カレーの時間』寺地はるな|感想レビュー&読書のおとも紹介

読書

本屋さんでタイトルと装丁を見た瞬間、心の中でカレーの香りがしたような気がしました。

読み進めるうちに、過去に食べたカレーの記憶や、家族と囲んだ食卓の温かさを思い出しました。

そんな『カレーの時間』の小説レビューをしていきます。

『カレーの時間』ってどんな小説?(作品紹介・あらすじ)

作品紹介

  • タイトル:『カレーの時間』
  • 著者:寺地はるな
  • 出版社:実業之日本社文庫
  • 発売日:2025/8/7
  • ジャンル:家族小説、ヒューマンドラマ
  • ページ数:336ページ(早い人は1日もあれば読了できると思います)

あらすじ(ネタバレなし)

終戦直後から令和の現代まで――「カレー」が人生の時間をつなぐ、祖父と孫の心温まる物語となっています。

ある日、掃除の行き届いていない“ゴミ屋敷のような家”に暮らすことになった孫・桐矢。祖父の小山田義景は、昭和の価値観を体現し怒鳴り声が絶えない頑固者。

物語では祖父の過去(若かりし営業マンとしてレトルトカレーを広めようと苦闘した日々)と、桐矢と義景の日常が交互に描かれます。

義景の背負ってきた秘密に触れることで桐矢との関係にも少しずつ変化が訪れ、ラストでは思わず胸を熱くするような余韻が残る一冊です。

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心に残ったシーン・わたしの「カレーの思い出」

祖父義景が‟おれたちのカレー”と誇りに思っていたレトルトカレーを、家族全員で食べるシーンがこの本を読んだ人にだけ分かる感動があると思いました。

私はカレーというと母が作ったカレーを思い出します。

市販のカレールウを使ったいわゆる庶民的なカレーだったのですが、ジャガイモが大きめでほくほくとしていて大好きでした。

スパイスカレーなどもたまに食べることがありますが、やはり母のカレーが私はいちばん落ち着きます。

「カレー」という言葉を聞くだけで母のカレー、初めての独り暮らしで泣きながら食べたカレー、キャンプで友人と楽しく作ったカレー…など色々な思い出が浮かび上がってきます。

それだけ日本人にゆかりのある食べ物って多くないと思うので凄い料理だな…と再認識しました。


『カレーの時間』が教えてくれたこと

この小説を読んで改めて思ったのは「食べることは生きることそのもの」だということです。

私は看護師でこれまで色々な患者さんと出会ってきたのですが、その経験から、たくさん食べる患者さんはとてもお元気で生命力に溢れています。

そして家族や友人が差し入れで持ってきた好物を食べる時が一番幸せそうな顔をされています。

「妻が作った○○が一番おいしい」や「○○屋の○○が一番おいしい」と家族や友達との思い出をお話してくれます。

私はそういう患者さんの笑顔を見ることが好きで看護師をしていたなぁ、と日ごろ忘れがちになっている気持ちを思い出すことができました。

食べ物はお腹を満たすだけではなくそれを通して人と人が近づいたり、過去と現在が繋がったりするのだなぁ、感じる作品でした。

星評価レビュー|食べたくなった度・ほっこり度

総合評価 4.1

食べたくなった度5.0
ほっこり度3.2

まず、目次タイトルでいろんなカレーの名前が出ていて読む前からとてもワクワクとした気持ちになりました。

カレーのタイトルで統一されているのもとても良いです。

読み進めると目次タイトルのカレーが出てくるのですが、それを登場人物たちがとても美味しそうに食べている表情が脳裏に浮かんできて我慢できず私もカレーを作ってしまいました。

そのため食べたくなった度は満点です!!

ほっこり度に関しては終始ほっこりというよりも、後半で祖父の家族への愛情が表現され「癒された」というより「感動した」という印象が強かったので少し低めの評価になりました。

おすすめの読書のおとも

もちろんおともに選ぶのはカレーです!

でも、読みながら熱々のカレーはちょっと大変かもしれません。笑

なので私は「カレーパン」をおすすめします。

スパイスがきいているとより良いと思います♪


あとは本を読んだ後でいただくのは旬の野菜を使ったカレーなども良いと思います。

私は夏野菜をたっぷり使ったカレーを作りましたよ♪

読み終えたあとにしみじみ味わうカレーは別格でした。

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まとめ

『カレーの時間』はカレーのようにあたたかく、食べた後に余韻が続くような小説でした。

みなさんの‟カレーの時間”はどんな時ですか?

日常にちょっと疲れた時に読むときっと優しい香りに包まれると思います。

ぜひこの本を読んでみてくださいね。

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